手続き ・ 出題範囲と配点

NCLEXの85問は、52問と18問と15問でできている

NCLEXの問題数は85問から150問——ここまではどこにでも書いてあります。書かれていないのは、その85問が何でできているかのほうです。内訳は52問・18問・15問で、この3つは役割がまったく違います。この記事では、NCSBNが公開しているテストプランから、出題範囲の配分と85問の中身、そして2026年4月に切り替わった新しいテストプランで何が変わったのかを、原文の数字のまま整理します。

この記事の使い方 勉強の配分を決めるために読む記事です。数字はすべてNCSBNの『2026 NCLEX-RN Test Plan』(2026年4月から有効)と『2023 NCLEX-RN Test Plan』の原文から、2026年9月11日に確認しました。2つを並べて読んだうえで書いています。出典は記事の最後にまとめています。

1. 85問の内訳は、52問・18問・15問です

最小構成の85問で終わった人は、内訳がこうなっています。テストプランにそのままの数字で書かれています。

種類問題数採点
8つの出題区分からの問題52問される
ケーススタディ(6問×3セット)18問される
プレテスト(試験問題の試運転)15問されない
合計85問採点対象は70問

ここで見ておきたいのは真ん中の行です。ケーススタディは3セットで固定されていて、試験が何問で終わっても数は変わりません。つまり採点される70問のうち18問、4分の1以上が「1人の患者を6問続けて追う形式」で占められているということになります。

プレテストの15問を探すのは時間のムダです 15問は将来の出題候補の試運転で、採点されません。ただし受験中にどれがそれなのかは分かりません。「この問題、変だからプレテストかも」と考えた時点で、採点される問題に使うはずの時間を削っています。全問、同じ気持ちで解くのが最短です。

2. 早く終わるほど、ケーススタディの比重は上がります

ケーススタディが3セット固定だという事実には、続きがあります。試験が短く終わるほど、採点全体に占めるケーススタディの割合が上がるのです。上の内訳から計算すると、こうなります。

最小の85問で終了最大の150問まで
採点される問題70問135問
うちケーススタディ18問18問
占める割合約26%約13%

この2行は、テストプランの数字から割り算しただけのものです(NCSBNがこの割合を出しているわけではありません)。それでも意味ははっきりしています。ケーススタディを一度も通しで解いたことがないまま試験場に行くと、いちばん配点の集まる場所を初見で受けることになります。

1セットは同じ患者について6問で、情報が少しずつ足されていきます。6問はそれぞれ、NCSBNが定めた臨床判断の6段階に対応しています。

段階原語何を問われるか
1. 手がかりに気づくRecognize cues並んだ情報のうち、意味があるのはどれか
2. 手がかりを解釈するAnalyze cuesその所見は何を示しているか
3. 仮説に順位をつけるPrioritize hypotheses考えられる状態のうち、どれが最も急ぐか
4. 対応を組み立てるGenerate solutions期待する結果と、それに向けた介入は何か
5. 実行するTake actionいま最初にやるのはどれか
6. 結果を評価するEvaluate outcomes効いたのか、外れたのか

厄介なのは3問目から4問目のあたりです。前半で立てた見立てが、後から出てくる検査値やバイタルで崩れることがあります。そこで見立てを持ち替えられるかどうかが問われていて、1問ずつ独立した問題集では練習になりません。前の問題が残っていないからです。

臨床判断はケーススタディの外にも出ます テストプランには、ケーススタディの18問に加えて「およそ10%の単独問題」でも臨床判断を測ると書かれています。「最初にすべきことはどれか」を問う形式がそれにあたります。

3. 出題の配分は8区分。多い順に並べるとこうなります

採点される問題のうち、ケーススタディを除いた分が8つの区分から出ます。テストプランは配分をで示し、同じ資料の円グラフにその幅の中央値を載せています。多い順に並べ替えるとこうなります。

区分中央値
ケアのマネジメント
Management of Care
18%15–21%
薬理と非経口投与
Pharmacological and Parenteral Therapies
16%13–19%
生理学的適応
Physiological Adaptation
14%11–17%
安全と感染予防・管理
Safety and Infection Prevention and Control
13%10–16%
リスクの低減
Reduction of Risk Potential
12%9–15%
健康増進と維持
Health Promotion and Maintenance
9%6–12%
心理社会的統合
Psychosocial Integrity
9%6–12%
基本的ケアと安楽
Basic Care and Comfort
9%6–12%

上から4つで61%を占めます。日本で臨床を経験した人にとって、この並びには読みどころがあります。

1位が「ケアのマネジメント」だという点です。疾患の知識ではありません。誰に何を任せるか、何を先にやるか、同意と守秘をどう扱うか——優先順位と委譲の判断が、8区分の中でいちばん多く出ます。ここは日本の国家試験でいちばん配分が薄いところでもあるので、経験年数に関係なく、対策の要る区分だと考えたほうが安全です。

逆に薬理が16%で2位というのは、日本の病棟経験がそのまま効く場所です。薬の名前が英語の一般名になるだけで、見ている中身は変わりません。

4. 2026年4月に新しいテストプランになりました。変わったのは、ほぼ名前だけです

NCLEXのテストプランは3年ごとに改訂され、2026年4月から新しい版が有効になっています。「2026年から変わったらしい」と聞いて不安になった方のために、2023年版と2026年版を並べて確認しました。

項目2023年版2026年版
最小・最大の問題数85問・150問変更なし
試験時間5時間(休憩を含む)変更なし
85問の内訳52 + 18 + 15変更なし
8区分の配分(幅・中央値)下の1件を除き同一変更なし
小分類の名称Safety and Infection ControlSafety and Infection Prevention and Control
もとになった実務調査2021年の調査2024年の調査

差分はこの2行だけです。「安全と感染管理」に Prevention(予防)という語が足されたことと、配分の根拠になる実務調査が新しくなったこと。区分の中身は同じで、配分の数字は1つも動いていません。

つまり、勉強のしかたを変える理由はありません 2023年から準備している人がやり直す必要はまったくないということです。改訂の中身は、実務調査で「入職1年目の看護師が実際にやっていること」を測り直し、配分を変える必要がなかったことを確認したという結果でした。約24,000人の新人看護師への調査がその根拠になっています。
「75問〜265問」と書いてある情報は3年以上前のものです 日本語で検索すると、いまでも「最小75問・最大265問・6時間」と書いてある記事が出てきます。これは2023年3月までのNCLEXで、いまの試験ではありません。2023年4月にNGN(次世代NCLEX)へ切り替わったときに、85問・150問・5時間になりました。問題数と時間の数字は、その記事がいつ書かれたかを見分ける目印として使えます。

5. この記事から持ち帰るもの

  1. 採点されるのは70問から135問です — 85問で終わっても、150問まで行っても、15問はプレテストで採点されません。どれがそれかは分かりません
  2. ケーススタディ18問は固定です — 短く終わるほど比重が上がり、最小構成では採点の約26%になります。6問続きの形式に慣れていないこと自体が失点になります
  3. いちばん多い区分は疾患ではなく「ケアのマネジメント」です — 18%。優先順位と委譲の判断で、日本の国試とは配分がいちばん違うところです

試験の仕組み(CAT・NGNの採点方式)は第1回、この配分をどう6か月に割り振るかは第2回にまとめています。

よくある質問

NCLEXは何問出ますか?

最小85問、最大150問で、受験者ごとに変わります。試験時間は最長5時間で、休憩もこの5時間に含まれます。最小構成の85問の内訳は、8つの出題区分から52問、臨床判断のケーススタディが18問(6問×3セット)、採点されないプレテストが15問です。したがって採点対象は85問で終わった場合で70問、150問まで行った場合で135問になります。問題数と合否は関係がなく、85問で不合格になる人も150問まで解いて合格する人もいます。出典はNCSBN『2026 NCLEX-RN Test Plan』の Examination Length の項です。

2026年のテストプランで何が変わりましたか?

受験者から見た変更は、実質的に小分類の名称1つだけです。「Safety and Infection Control(安全と感染管理)」が「Safety and Infection Prevention and Control(安全と感染予防・管理)」になりました。問題数(85〜150問)、試験時間(5時間)、85問の内訳(52+18+15)、8区分の配分の幅と中央値は、2023年版とすべて同じです。変わったのは配分の根拠になる実務調査が2021年のものから2024年のものへ更新された点で、その結果として配分を動かす必要がないと判断されています。2023年から勉強している人がやり直す必要はありません。

どの分野から勉強すればいいですか?

配分の中央値でいうと、ケアのマネジメント18%、薬理と非経口投与16%、生理学的適応14%、安全と感染予防・管理13%の順で、上位4区分だけで61%を占めます。日本で臨床を経験した方にとって注意が必要なのは1位のケアのマネジメントで、疾患の知識ではなく、委譲・優先順位・同意と守秘といった判断が問われます。日本の看護師国家試験でもっとも配分の薄い領域なので、経験年数にかかわらず対策が要ります。逆に薬理は日本の病棟経験がそのまま使え、薬の名前が英語の一般名に変わるだけです。

出典(2026年9月11日確認) 問題数・試験時間・85問の内訳・8区分の配分・臨床判断の6段階・小分類の名称:2026 NCLEX-RN Test Plan(NCSBN・2026年4月から有効/nclex.com/files/2026_RN_Test Plan_English-F.pdf)
2023年版との比較に使った数値:2023 NCLEX-RN Test Plan(NCSBN・2023年4月から有効/ncsbn.org/public-files/2023_RN_Test Plan_English_FINAL.pdf)
実務調査:2024 RN Practice Analysis: Linking the NCLEX-RN Examination to Practice(NCSBN, 2025)および2021 RN Practice Analysis(NCSBN, 2022)

本文中の「採点全体に占めるケーススタディの割合(約26%・約13%)」は、テストプランの問題数から当編集部が計算した値であり、NCSBNが公表している数字ではありません。

配分を知ったら、次は解いた数です

NCLEX BANKは、2,700問超のNCLEX形式問題に日本語の解説をつけた問題バンクです。6問続きのNGNケーススタディも収録しているので、この記事で書いた「採点の4分の1」を初見で受けずに済みます。問題文と選択肢は英語のままなので、解くこと自体が英語で読む練習になります。月額 $99、いつでも解約できます。

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