NCLEXの85問は、52問と18問と15問でできている
NCLEXの問題数は85問から150問——ここまではどこにでも書いてあります。書かれていないのは、その85問が何でできているかのほうです。内訳は52問・18問・15問で、この3つは役割がまったく違います。この記事では、NCSBNが公開しているテストプランから、出題範囲の配分と85問の中身、そして2026年4月に切り替わった新しいテストプランで何が変わったのかを、原文の数字のまま整理します。
1. 85問の内訳は、52問・18問・15問です
最小構成の85問で終わった人は、内訳がこうなっています。テストプランにそのままの数字で書かれています。
| 種類 | 問題数 | 採点 |
|---|---|---|
| 8つの出題区分からの問題 | 52問 | される |
| ケーススタディ(6問×3セット) | 18問 | される |
| プレテスト(試験問題の試運転) | 15問 | されない |
| 合計 | 85問 | 採点対象は70問 |
ここで見ておきたいのは真ん中の行です。ケーススタディは3セットで固定されていて、試験が何問で終わっても数は変わりません。つまり採点される70問のうち18問、4分の1以上が「1人の患者を6問続けて追う形式」で占められているということになります。
2. 早く終わるほど、ケーススタディの比重は上がります
ケーススタディが3セット固定だという事実には、続きがあります。試験が短く終わるほど、採点全体に占めるケーススタディの割合が上がるのです。上の内訳から計算すると、こうなります。
| 最小の85問で終了 | 最大の150問まで | |
|---|---|---|
| 採点される問題 | 70問 | 135問 |
| うちケーススタディ | 18問 | 18問 |
| 占める割合 | 約26% | 約13% |
この2行は、テストプランの数字から割り算しただけのものです(NCSBNがこの割合を出しているわけではありません)。それでも意味ははっきりしています。ケーススタディを一度も通しで解いたことがないまま試験場に行くと、いちばん配点の集まる場所を初見で受けることになります。
1セットは同じ患者について6問で、情報が少しずつ足されていきます。6問はそれぞれ、NCSBNが定めた臨床判断の6段階に対応しています。
| 段階 | 原語 | 何を問われるか |
|---|---|---|
| 1. 手がかりに気づく | Recognize cues | 並んだ情報のうち、意味があるのはどれか |
| 2. 手がかりを解釈する | Analyze cues | その所見は何を示しているか |
| 3. 仮説に順位をつける | Prioritize hypotheses | 考えられる状態のうち、どれが最も急ぐか |
| 4. 対応を組み立てる | Generate solutions | 期待する結果と、それに向けた介入は何か |
| 5. 実行する | Take action | いま最初にやるのはどれか |
| 6. 結果を評価する | Evaluate outcomes | 効いたのか、外れたのか |
厄介なのは3問目から4問目のあたりです。前半で立てた見立てが、後から出てくる検査値やバイタルで崩れることがあります。そこで見立てを持ち替えられるかどうかが問われていて、1問ずつ独立した問題集では練習になりません。前の問題が残っていないからです。
3. 出題の配分は8区分。多い順に並べるとこうなります
採点される問題のうち、ケーススタディを除いた分が8つの区分から出ます。テストプランは配分を幅で示し、同じ資料の円グラフにその幅の中央値を載せています。多い順に並べ替えるとこうなります。
| 区分 | 中央値 | 幅 |
|---|---|---|
| ケアのマネジメント Management of Care | 18% | 15–21% |
| 薬理と非経口投与 Pharmacological and Parenteral Therapies | 16% | 13–19% |
| 生理学的適応 Physiological Adaptation | 14% | 11–17% |
| 安全と感染予防・管理 Safety and Infection Prevention and Control | 13% | 10–16% |
| リスクの低減 Reduction of Risk Potential | 12% | 9–15% |
| 健康増進と維持 Health Promotion and Maintenance | 9% | 6–12% |
| 心理社会的統合 Psychosocial Integrity | 9% | 6–12% |
| 基本的ケアと安楽 Basic Care and Comfort | 9% | 6–12% |
上から4つで61%を占めます。日本で臨床を経験した人にとって、この並びには読みどころがあります。
1位が「ケアのマネジメント」だという点です。疾患の知識ではありません。誰に何を任せるか、何を先にやるか、同意と守秘をどう扱うか——優先順位と委譲の判断が、8区分の中でいちばん多く出ます。ここは日本の国家試験でいちばん配分が薄いところでもあるので、経験年数に関係なく、対策の要る区分だと考えたほうが安全です。
逆に薬理が16%で2位というのは、日本の病棟経験がそのまま効く場所です。薬の名前が英語の一般名になるだけで、見ている中身は変わりません。
4. 2026年4月に新しいテストプランになりました。変わったのは、ほぼ名前だけです
NCLEXのテストプランは3年ごとに改訂され、2026年4月から新しい版が有効になっています。「2026年から変わったらしい」と聞いて不安になった方のために、2023年版と2026年版を並べて確認しました。
| 項目 | 2023年版 | 2026年版 |
|---|---|---|
| 最小・最大の問題数 | 85問・150問 | 変更なし |
| 試験時間 | 5時間(休憩を含む) | 変更なし |
| 85問の内訳 | 52 + 18 + 15 | 変更なし |
| 8区分の配分(幅・中央値) | 下の1件を除き同一 | 変更なし |
| 小分類の名称 | Safety and Infection Control | Safety and Infection Prevention and Control |
| もとになった実務調査 | 2021年の調査 | 2024年の調査 |
差分はこの2行だけです。「安全と感染管理」に Prevention(予防)という語が足されたことと、配分の根拠になる実務調査が新しくなったこと。区分の中身は同じで、配分の数字は1つも動いていません。
5. この記事から持ち帰るもの
- 採点されるのは70問から135問です — 85問で終わっても、150問まで行っても、15問はプレテストで採点されません。どれがそれかは分かりません
- ケーススタディ18問は固定です — 短く終わるほど比重が上がり、最小構成では採点の約26%になります。6問続きの形式に慣れていないこと自体が失点になります
- いちばん多い区分は疾患ではなく「ケアのマネジメント」です — 18%。優先順位と委譲の判断で、日本の国試とは配分がいちばん違うところです
試験の仕組み(CAT・NGNの採点方式)は第1回、この配分をどう6か月に割り振るかは第2回にまとめています。
よくある質問
NCLEXは何問出ますか?
最小85問、最大150問で、受験者ごとに変わります。試験時間は最長5時間で、休憩もこの5時間に含まれます。最小構成の85問の内訳は、8つの出題区分から52問、臨床判断のケーススタディが18問(6問×3セット)、採点されないプレテストが15問です。したがって採点対象は85問で終わった場合で70問、150問まで行った場合で135問になります。問題数と合否は関係がなく、85問で不合格になる人も150問まで解いて合格する人もいます。出典はNCSBN『2026 NCLEX-RN Test Plan』の Examination Length の項です。
2026年のテストプランで何が変わりましたか?
受験者から見た変更は、実質的に小分類の名称1つだけです。「Safety and Infection Control(安全と感染管理)」が「Safety and Infection Prevention and Control(安全と感染予防・管理)」になりました。問題数(85〜150問)、試験時間(5時間)、85問の内訳(52+18+15)、8区分の配分の幅と中央値は、2023年版とすべて同じです。変わったのは配分の根拠になる実務調査が2021年のものから2024年のものへ更新された点で、その結果として配分を動かす必要がないと判断されています。2023年から勉強している人がやり直す必要はありません。
どの分野から勉強すればいいですか?
配分の中央値でいうと、ケアのマネジメント18%、薬理と非経口投与16%、生理学的適応14%、安全と感染予防・管理13%の順で、上位4区分だけで61%を占めます。日本で臨床を経験した方にとって注意が必要なのは1位のケアのマネジメントで、疾患の知識ではなく、委譲・優先順位・同意と守秘といった判断が問われます。日本の看護師国家試験でもっとも配分の薄い領域なので、経験年数にかかわらず対策が要ります。逆に薬理は日本の病棟経験がそのまま使え、薬の名前が英語の一般名に変わるだけです。
2023年版との比較に使った数値:2023 NCLEX-RN Test Plan(NCSBN・2023年4月から有効/ncsbn.org/public-files/2023_RN_Test Plan_English_FINAL.pdf)
実務調査:2024 RN Practice Analysis: Linking the NCLEX-RN Examination to Practice(NCSBN, 2025)および2021 RN Practice Analysis(NCSBN, 2022)
本文中の「採点全体に占めるケーススタディの割合(約26%・約13%)」は、テストプランの問題数から当編集部が計算した値であり、NCSBNが公表している数字ではありません。
配分を知ったら、次は解いた数です
NCLEX BANKは、2,700問超のNCLEX形式問題に日本語の解説をつけた問題バンクです。6問続きのNGNケーススタディも収録しているので、この記事で書いた「採点の4分の1」を初見で受けずに済みます。問題文と選択肢は英語のままなので、解くこと自体が英語で読む練習になります。月額 $99、いつでも解約できます。
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