手続き ・ 受験申請

NCLEXの受験手続き|順番を間違えると3か月止まる

NCLEXの手続きでつまずく人のほとんどは、勉強で行き詰まったわけではありません。順番を間違えて、待たなくていい時間を待っています。受験料を先に払っても受験はできませんし、州を決めないと必要な書類も決まりません。この記事では、申請から受験までの順番と、日本にいながら受けられる場所、そしていま実際にかかる金額を、一次情報を確認した日付つきでまとめます。

この記事の使い方 勉強を始める前に一度読んで、「自分はどの州に申請するのか」だけ決めてください。それが決まらないと、次に集める書類が決まりません。金額と期限はすべて2026年9月5日時点で公式サイトを確認したものです。出典は記事の最後にまとめています。

1. 順番を間違えると、3か月止まります

NCLEXは「申し込んで受ける」試験ではありません。受験資格を出すのは州の看護局、試験を実施するのは別の会社で、この2つが揃って初めて受験票にあたるものが届きます。

この記事の結論 ① 州を決めて、その州の看護局(NRB)に免許申請を出す
必要書類は州ごとに違う。ここが全部の起点。

② Pearson VUE に受験登録して、受験料を払う
①と並行してよい。ただし払っただけでは受験できない。

③ 看護局が受験資格を認める
ここが一番待つ。書類の不備で戻されると、その分そのまま遅れる。

④ ATT(Authorization to Test=受験許可)がメールで届く
①〜③が揃って初めて出る。

⑤ 会場と日時を予約して、受験する
ATTの有効期間内に受けなければならない。

②を先にやっても、③が終わらなければ④は来ません。逆に、③が終わっていても②をしていなければやはり来ません。両方が揃った時点で発行される、という一点だけ押さえてください。

ATTには期限があります Authorization to Test(ATT・受験許可)の有効期間は看護局が決めます。公式には平均90日とされていて、この期間内に受験しなければなりません

つまりATTが届いてから勉強を始めるのでは間に合いません。逆算して、仕上がる時期に合わせて申請するか、届いた日から3か月で受け切る前提で計画を組むかのどちらかです。連載第2回で「合格時期を先に決める」と書いたのは、この期限があるからです。

2. 州は「3つの条件」で選びます

米国には50州とその他の管轄があり、免許は州ごとに出します。試験は全国共通ですが、受験資格の条件は州が決めます。だから「どの州に申請するか」が最初の分岐になります。

日本の看護師が実際に引っかかるのは、次の3つです。

判断軸何が違うか確認すること
SSN
社会保障番号
米国に住んでいなければ持っていない番号。州によって、受験に要る/要らない/受験は通るが免許発行に要るの3通りに分かれる 「受験できるか」と「免許が出るか」を別々に確認する。ここを混ぜると、受かったのに免許が出ない状態になる
学歴審査
CGFNSなど
海外で受けた看護教育が米国の基準に足りているかを、第三者機関が審査する。要求する州と、しない州がある 要求される場合、どの報告書か(CES Professional ReportCourse-by-Course か)まで確認する
英語試験 IELTS・TOEFL・OETなどのスコアを求める州がある。基準点も州ごとに違う 必要なら、NCLEXの勉強と並行して始める。英語試験は結果が出るまでにも時間がかかる
州の条件は、必ず看護局の公式サイトで確認してください この3つの条件は州が個別に決めていて、変わります。まとめ記事やエージェントのページで見た条件が、いま正しいとは限りません。申請しようとしている州の Board of Nursing(看護局)の公式サイトで、自分の目で確認してください。

この記事でも州ごとの条件は書きません。書いた時点で古くなり、間違ったまま残るからです。州名で「board of nursing licensure by examination internationally educated」と検索すれば、公式ページが出ます。

もうひとつ、混同されがちな手続きを分けておきます。VisaScreen は就労ビザのための証明で、NCLEXを受けるために必要なものではありません。米国で働くビザを申請する段階で求められるものです。「免許を取る」と「働く資格を得る」は別の手続きで、順番も別です。

3. 日本で受けられます(会場は2つ)

NCLEXは米国まで行かなくても受けられます。米国・カナダ・オーストラリア以外にも会場があり、日本はその対象国に入っています。

日本国内の会場(2026年1月時点の公式リスト) 大阪 — 大阪第一生命ビル 12F(大阪市北区梅田1-8-17)
新宿 — PMO西新宿 8F(東京都新宿区西新宿8-1-2)

この2か所です。国際会場のリストは四半期ごとに更新されるので、予約の前に最新版を確認してください。

ちなみに、国際会場が置かれている国は全部で19か国です(2026年1月版)。インド、英国、オーストラリア、カナダに多く、アジアでは日本のほかに中国・香港・台湾・フィリピン・マレーシアがあります。韓国には会場がありません。韓国の看護師が受けるには、日本を含む他国へ行くことになります。

この配置は、受験者の数では説明がつきません。NCSBNが公表している2025年の統計(米国免許のために初めてNCLEX-RNを受けた、外国で教育を受けた看護師)と、会場の数を並べるとこうなります。

教育を受けた国2025年の初回受験者合格率国内の会場
フィリピン22,793人45.8%2か所
ケニア4,096人58.2%1か所
韓国2,485人58.4%なし
中国451人47.5%2か所
台湾360人62.5%1か所
香港60人81.7%2か所
日本63人66.7%2か所

日本でNCLEXを受けた人は、2025年に63人です。隣の韓国はその39倍にあたる2,485人が受けていて、そちらには会場がありません。香港は日本より少ない60人で2か所。受験者数の順に会場を置いているわけではないことは、この表だけで分かります。理由は公表されていないので、この記事では推測しません。
※ 受験者数と合格率は2025年(2026年9月8日に一次資料で更新)、会場数は2026年1月時点。

63人という数字の読み方 日本人でNCLEXを受ける人は、年に100人もいません。これは「難しすぎて誰も受からない」という意味ではなく(合格率は66.7%で、フィリピンの45.8%より高い)、そもそも挑戦する人が少ないという意味です。

日本語の情報が少ないのも同じ理由です。この記事で州ごとの条件や費用をここまで細かく書いているのは、63人ぶんの需要では、誰も正確な日本語の案内を作らないからです。
どの州の免許でも、どこの会場でも受けられます 申請した州と、受験する会場の場所は関係ありません。ニューヨーク州に申請して大阪で受ける、という組み合わせで問題ありません。試験は全国共通で、会場は「試験を受ける場所」でしかないからです。

4. お金と、期限のあるもの

受験そのものにかかる費用は、日本から受ける場合こうなります。

項目金額備考
受験登録料 $200 米国の免許を目指す場合。Pearson VUEに支払う
国際受験の追加料
International Scheduling Fee
$150 米国・カナダ・オーストラリア以外の会場で受ける場合。加えて現地のVAT(付加価値税)
学歴審査
CGFNS CES Professional Report
$365 州が要求する場合のみ。報告書の種類によって金額は変わる
申請先の州を変える $50 登録後に変更する場合
RN/PNを変える $50 登録後に変更する場合

ここに、州の看護局に払う申請料(州ごとに違う)と、書類の翻訳・郵送費が加わります。英語試験が必要な州なら、その受験料も別途です。

2027年2月1日から、受験料が $350 になります NCSBNが公表している値上げです。$200 → $350(米国・オーストラリア向け。カナダはCAD 570)。国際受験の追加料 $150 は別途かかるので、日本から受ける場合の合計は$350 + $150 = $500 + VAT になります。

いま準備を始めている人にとっては、2027年1月末までに受験登録を済ませられるかどうかで $150 変わるということです。急いで受けろという話ではありませんが、計画を立てるときの締切として意味のある日付です。

まとめ

勉強を始める前に決めることは、3つだけです。

  1. どの州に申請するか — SSN・学歴審査・英語試験の3つを、その州の看護局の公式サイトで確認する
  2. いつ受けるか — ATTは平均90日で切れる。仕上がる時期から逆算して申請する
  3. いくら用意するか — 日本から受けるなら受験だけで $350($200+$150)+VAT。学歴審査が要る州ならさらに $365 前後

この3つが決まれば、あとは勉強だけです。勉強の順番は連載第2回に、試験そのものの仕組みは第1回にまとめています。

よくある質問

NCLEXは日本で受けられますか?

受けられます。大阪(大阪第一生命ビル12F・大阪市北区梅田1-8-17)と新宿(PMO西新宿8F・東京都新宿区西新宿8-1-2)の2か所にPearson VUEの国際会場があります(2026年1月時点の公式リスト)。米国・カナダ・オーストラリア以外の会場で受ける場合は、受験登録料$200に加えて国際受験の追加料$150と現地のVATがかかります。申請した州と受験する会場の場所は関係がないので、どの州の免許を目指していても日本で受験できます。

NCLEXの受験にはいくらかかりますか?

2026年9月時点で、米国の免許を目指す場合の受験登録料は$200です。日本の会場で受けるなら国際受験の追加料$150と現地VATが加わるので、受験だけで$350程度になります。州が学歴審査を要求する場合はCGFNSのCES Professional Reportが$365、加えて州の看護局への申請料、書類の翻訳費、英語試験が必要な州ならその受験料がかかります。なお2027年2月1日から受験登録料は$350に値上げされます。

ATT(受験許可)の有効期限はどれくらいですか?

看護局が期間を決めますが、公式には平均90日とされています。この期間内に受験しなければならず、期限を過ぎると再度手続きが必要になります。ATTは、州の看護局が受験資格を認めることと、Pearson VUEへの受験登録と支払いが完了することの両方が揃って初めてメールで届きます。どちらか片方だけでは発行されません。したがって、ATTが届いてから勉強を始めるのでは間に合わず、仕上がる時期から逆算して申請するのが前提になります。

出典(2026年9月5日確認) 受験料・変更手数料・2027年の値上げ:NCLEX — Fees & Payment(nclex.com/fees-payment.page)
受験までの手順とATTの有効期間:NCLEX — Register(nclex.com/register.page)
日本国内の会場と対象19か国:International Pearson Professional Center Sites and Addresses(2026年1月版・nclex.com)
国別の受験者数と合格率:2025 NCLEX Examination Statistics(NCSBN Research Brief Volume 96・2026年6月・Table 9。2026年9月8日確認)
学歴審査の費用:CGFNS — Credentials Evaluation Service Professional Report(cgfns.org)

州ごとの条件は変わるため、この記事には書いていません。申請先の州の看護局(Board of Nursing)の公式サイトで確認してください。

手続きが決まったら、あとは中身です

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